転職コラム
2019/07/14

【転職ノウハウ】USCPA転職活動⑦ 花形の経営企画!地味な実態への理解が選考のポイント

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vol.18 USCPA転職活動⑦ 「花形の経営企画!地味な実態への理解が選考のポイント」

さて、前回の「経理財務」編に続き、今回は事業会社「経営企画」への転職対策について触れてまいります。

キラキラしたイメージが強いポジションですが、憧れ先行で応募してしまうと、選考がうまく進まない…、面接で認識のギャップを指摘される…なんてことも。

ここでは大まかな業務分類を示しながら、ポジションの特性をお伝えしていきます!

経営企画の業務を3パターンに分けてみると

一言で「経営企画」といっても、求められている役割や実際に行う業務内容は、会社・ポジションによって大きく異なります。世間一般では華やかで格好いいイメージがあるかもしれませんが、意外に地味な業務が多いことも。

「経営企画」というポジション名に惑わされず、まずは業務内容をしっかり読み込み、求められていることを理解することが大切です。

経営企画の業務をかなり大雑把に分けると、下記の3つに区分できます。

業績管理

予算作成・とりまとめ、予実差異分析、KPI管理、経営層へのレポート作成等を行います。

数字を基に既存事業の業績見通しを立て、経営層に要点を報告、もしくは経営層からのリスエストに応じて見たい数字をまとめて資料を作成する、などの業務イメージです。

こちらの業務内容の場合、事業部側ではなくホールディングス側のポジションとなっていることが多いでしょう。

事業戦略/企画

新規事業の検討(業界分析や事業ポートフォリオ作成、アライアンスの検討など)から、事業立ち上げ、軌道に乗るまでの各種業務推進などを担います。

数字の管理ももちろん行いますが、どちらかと言うと事業部側の立場でビジネス・業務の仕組みづくりや、収益化に向けた検討・実行などを行っていくケースが多いでしょう。

M&A・事業再編

上記の事業戦略/企画との関連が深いのですが、検討の結果、各事業の買収・売却などを行うこともあります。その際の事業部に対するM&Aプロセス全体支援、バリュエーション、デューデリジェンス(場合によっては簡易的なもの)などを実施します。

金融機関・コンサルティングファームや、外部の専門家とも連携しながら業務を進めることも多くなります。

実際の採用ポジションでは、上記の3つの役割が混在していたり、タイミングによって求められる役割が異なったりしますので、あくまで「経営企画」に求められる機能の整理として押さえていただければと思います。

なお、業務内容に加えて着目するべきは「募集背景」および「部門構成」です。経営企画ポジションは(後ほど触れますが)自社ビジネスへの理解や、社内の人間関係・コネクションなどもある程度必要とされるため、人員を増やす際は中途採用ではなく、内部での異動でまかなうことも多くあります。

そのため、中途採用を行うのであれば、社内にはない何かしらの知見・スキルを求めているケースが多くなります。

また、部門に在籍しているメンバーのバックグラウンド(プロパー社員がほとんどなのか、コンサルティングファームもしくは金融機関出身者が多いのか、等)を把握しておくと、より求められている役割・スキルが理解しやすいでしょう。

経営企画ポジションにフィットしやすいバックグラウンドとは

業績管理

事業会社における経理(財務会計/管理会計)・財務などの経験者がフィットしやすいでしょう。

また、業績管理システムを導入しているような大手企業であれば、管理会計領域のITシステムコンサルティング経験を基に採用されるケースもあります。

FASコンサルティングや金融機関出身者の方が採用されるケースもありますが、志向性の違いからか、あまり実例は多くない印象です。

事業戦略/企画

事業企画・事業推進・営業企画などを行っていた方は評価されやすいものの、業界・企業規模などが近しい環境であったかどうかは、先方も多少意識しているところでしょう。

また、コンサルティングファームにおける経営・戦略、もしくは業務プロセス改善などの経験者もフィットしやすく、外部のアドバイザー的な立場ではなく、ハンズオンでクライアント先に入り込んでいた経験だと、特に評価されやすいでしょう。

M&A・事業再編

FASコンサルティングファームや投資銀行、証券会社、ファンド等での経験をお持ちの方は、高い専門性を武器に採用されやすいと思います。

また、若手層の採用であれば、銀行における法人営業・融資業務の経験が評価されるケースもあります。

上記の違いをしっかりと認識し、応募ポジションに何が求められているのか、自身のこれまでの経験・スキルからフィットする内容は何か、を整理して応募書類を作成することが、書類選考通過の鍵となります。

経営企画は、経験(ハード面)以外のスキル重要性も高い

経営企画は求められる役割上、経理財務などの他ポジションに比べて実務経験以外の素養(ソフトスキル等)がマッチするか、という観点も非常に重要です。(もちろん、M&Aに関する特殊な知見を求められるポジション等であれば、専門性を武器に転職することも可能です)求められる経験(ハード面)以外のスキルについては、大きく3つに分類することができます。

ビジネス理解、経営視点

自社ビジネスや業界についての知識はもちろん、現場の状況について理解しつつ、経営層の意思を落とし込み実現していく必要があります。

一朝一夕では身につかない業界の知見や、事業理解も含まれるため、経験自体をお持ちでない方は対応が難しい部分かもしれません。

しかし、できる限り知識を吸収した上で、想像力を駆使しポテンシャルを示すことを意識していただくと良いでしょう。

基本的ビジネススキルの高さ

財務三表など数字に触れることも多いため、最低限、会計・ファイナンスの基本的知見は求められます。

事業環境によっては英語力も併せて求められるため、USCPA(米国公認会計士)等を通じて会計知識と英語力を身につけている方は、一定の評価を得られるでしょう。

また、集めたデータ・情報を基に、ポイントを分かりやすく資料にまとめる等の業務も多いため、PowerPoint、Excel、Wordなどの基本ソフトを、効率よく使用していく力も必要です。

社内を動かすコミュニケーション力、調整力

ある意味では、この点が一番大事になるかもしれません。最終的には、事業部などを動かしていくことが求められるため、関係を構築する力や、場合によっては落としどころを見出し、物事を進めていく力が問われます。

上記の3点については、応募書類から人物像を読み取り判断されることもありますが、特に面接において見極められるポイントと言えます。

経営企画における面接のポイント

改めてですが、業務内容・業務イメージが掴めていることは前提となります。できる限り入社後の状況を想定して、面接準備を進めておきましょう。

その上で、現職等において「人を動かしてきた経験」をエピソードベースで話せるよう、振り返っておくと良いでしょう。部下や後輩など下の立場の人間ではなく、どちらかというと役職者など上の立場の人間や他部署を巻き込み、適切な数字やロジックを示しつつ動かしてきた経験があれば、経営企画ポジションにおいても業務を進めていける可能性を、先方に感じてもらえるはずです。

また、特にコンサルティングファーム出身の方は「目線を合わせてコミュニケーションを取れるか」という点もポイントとなります。

ハードスキル面ではフィットしやすいものの、「外部の立場から動かすことができても、内部(社内)の立場になった時に人を動かせるか?」「事業部と関係性を築き、一緒になって業務を進められるか?」などの点は懸念されるため、これまでの経験からフィットするエピソードを整理しておくと良いでしょう。

経営企画は、一般的なイメージと実態が少し乖離しているポジションかもしれません。ただ、地味ながら重要で、会社の中軸となることも多い仕事です。業務への理解を深めながら、現状からのキャリアパスを整理し、フィットするスキルを身につけていきましょう。

次回は「USCPA転職活動」の最終回として、事業会社「内部監査」についてお伝えします!

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