M&Aコンサルタントは上述の①~④のように業務は細分化しており、どの業務を担当するかによって求められる人材像も異なります。例えば①のデューデリジェンスは対象企業の財務諸表をチェックするため、会計監査と近しい業務イメージです。USCPAと親和性が高いものの、一方でM&Aコンサルタントの世界は、少しでも即戦力となる知識を持ち合わせていることが歓迎されます。そのためUSCPAの資格に加えて会計監査・経理実務等の経験も併せ持っている方が確度は高くなるでしょう。また②のバリュエーションは会計監査・経理実務等の経験者に加えて、金融出身者(法人営業・融資担当等)を好みやすい傾向があります。③のコーポレートストラテジーは、コンサルティング会社における業務改善経験等をPMIで活かすことができるでしょう。④のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)は売り手・買い手側のピックアップ、クライアントが有利にM&Aを進められるような交渉、M&Aプロセスが円滑に進むように各専門部隊とクライアントの間に入り調整を行っていきますが、金融出身(メガバンク・投資銀行)・事業会社(M&A経験)・ビジネスセンスのあるUSCPA/公認会計士が書類選考を通過しやすいでしょう。
監査法人のアドバイザリー業務に通じるものがありますが、コンサルタント業務も相手に助言・進言する以上、目線を合わせて話せる知識や実務経験が重視される傾向にあります。そのため、事業会社の経理財務・経営企画/戦略等で実務経験を有するUSCPAや公認会計士、SIer等のITシステム領域に強い方、業務改善等のノウハウを習得されたコンサル業界での経験者はマッチする部分が多くなります。